「DVD / GAME Player“Q”」(SL-GC10)ってなに?ゲームキューブと何が違うの?
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ゲームキューブ互換DVDプレーヤー「Q(SL-GC10)」とは

松下電器産業株式会社は、任天堂の家庭用ゲーム機「ゲームキューブ」と互換性を持つDVDプレーヤー 「SL-GC10(愛称:Q)」 を、2001年12月14日に発売されました。

価格はオープンプライスですが、直販サイトでは 39,800円 で販売されます。ボディカラーはシルバーのみで、ジャンルは「DVD/ゲームプレーヤー」。DVD再生とゲーム再生の両機能を備えているのが最大の特徴です。

ハードウェア仕様

  • ゲーム機能はゲームキューブと同等
  • コントローラ端子×4、メモリーカードスロット×2、シリアルポート×2、ハイスピードポート×1
  • CD-R/RW再生対応の光学ドライブを搭載
  • 付属品:DVD用ワイヤレスリモコン、ゲーム用コントローラ
    ※リモコンでゲーム操作や、コントローラでDVD操作は不可

サイズは 180×217×198mm(幅×奥行き×高さ、重量3kg) と、任天堂製ゲームキューブ(150×161×110mm)より一回り大きくなっています。

映像・音声出力

  • 出力端子:コンポジット、S端子、ステレオRCA、サブウーファプリアウト、光デジタル
  • 光デジタル出力はDVD再生時のみDTS/ドルビーデジタル対応
  • デジタルAV出力端子を搭載し、ゲームプレイ時は別売ケーブルでプログレッシブ出力対応(DVD再生はインターレースのみ)

再生機能

  • バーチャルサラウンド機能「アドバンスト・サラウンド」
  • セリフを聞き取りやすくする「ダイアログ・エンハンサー」
  • 映像調整「シネマ」モード
  • チャプター冒頭を5秒ずつ再生する「あらすじリプレイ」

さらに、本体前面には液晶パネルを搭載。再生状況の確認やブルーライトによる演出も楽しめます。OSD表示によるメニュー操作に加え、ゲームのプレイ時間を知らせる「ゲームタイマー」機能も備えています。

販売情報

直販サイト「パナセンス」が運営する DVDGAME.JP にて、2001年10月21日より予約受付を開始。販売価格は39,800円で、購入には会員登録が必要です。
同サイトでは「Q」本体のほか、「大乱闘スマッシュブラザーズDX」などのゲームソフトや周辺機器も取り扱います。

特徴

「Q(キュー)」は、任天堂と松下電器産業が共同開発した特別仕様のゲームキューブ互換機。DVDプレーヤーとしての高機能性と、ゲームキューブとしての互換性を兼ね備えた、ユニークな一台です。

  • ゲームキューブのソフトがプレイ可能
  • DVD再生機能を搭載(通常のゲームキューブには非搭載)
  • クロムメッキの高級感あるデザイン
  • 前面に液晶ディスプレイと操作ボタン付き
  • 日本国内でのみ販売(輸出はされず)
  • 発売当時の価格は約39,800円と通常のGCより高価

現在の評価

  • 生産台数が少なく、レア度が高い
  • コレクターズアイテムとして人気
  • 動作品はオークションや中古市場で数万円〜10万円以上で取引されることも

スペック詳細

項目内容
型番SL-GC10
発売日2001年12月13日(日本)
製造期間約2001年〜2003年中に生産終了
販売地域日本限定
ハードウェア内容
CPUPowerPC 750CXe(約 485MHz)
GPUATI Flipper(GameCube と同様)
RAM / メモリ約 43MB 合計(本体システム+GPUバッファ等)
メディア形式GameCube の専用ディスク(8cm/1.5GB ミニディスク)、DVD (映画用)、オーディオCD、VCD、MP3 CD など
映像/音声出力コンポジット、S-Video、デジタルAV-アウトなど 光デジタル音声出力(DVD/CD再生時)あり
特徴・付加機能前面にディスクトレイ(DVD/GameCube 混合) 本体の前面/上部に LCD 情報画面(ステータス、再生情報など)アルミ/ステンレス調/ミラー仕上げの前面パネルで高級感重視のデザイン リモコン付属(DVD/CD操作用)オーディオモードに「サラウンド」「バス(低音)ブースト」などの強調機能あ

発売経緯・背景

  • 当時、GameCube(任天堂)の本体には DVD映画再生機能が搭載されていなかったため、PlayStation 2 や Xbox など競合機種で DVD 再生が可能である点が強みとなっていた。
  • 松下電器(Panasonic/Matsushita)は任天堂と協力し、GameCube 用の光学ドライブを製造しており、その契約の一環として、任天堂のゲーム機技術を利用したDVDプレーヤー兼ハイブリッド機を出すことを許可されていた。これが「Q」の開発へ繋がった。
  • デザインにも力を入れ、「高級DVDプレーヤー+ゲーム機」の位置づけで、鏡面仕上げ/背面LED/LCD表示など、見た目・演出で差別化を図っていた。
  • ただし、価格が高かったこと、DVDプレーヤー単体+GameCubeを別に買うほうが価格的に安い選択肢があったこと、そして GameCube 本体の売れ行きが任天堂の期待ほどではなかった点もあり、販売数は伸びなかった。

現在の相場・収集事

項目内容
生産数/販売数100,000 台未満とされており、非常に限定的。
発売当時価格通常版で ¥39,800、リージョンフリー化などを施した輸入向け改造モデルで ¥46,000 程度。
今のコレクター価格動作品のみ:海外オークションで 600 ユーロ前後(箱なし)という出品があり。 箱付き(箱・付属品完備):700-850 ユーロ前後になることも。 新品同様や美品はさらにプレミアがつく可能性大いにあり。
国内(日本)での入手・価格動向日本の中古市場でも希少品で、コンディション良好だと高め。輸送料・輸送の破損リスクを考慮する購入者多し。
故障・注意点光学ドライブのトレイ機構が壊れやすい、輸送中のディスクドライブ割れ・ゆがみ多発。部品・修理情報は限られているため購入前の確認が重要。

最近の落札例・出品例からのデータ

状態・条件円換算での目安備考
動作良好、本体のみ(付属品少なめ、箱なし)|日本国内オークション等での落札約 ¥80,000 ~ ¥120,000eBay 等で “Tested Working” 表記があるものの、付属品が少ないもの。為替レートや送料込みか否かで変動。
箱つき・付属品完備・美品約 ¥130,000 ~ ¥200,000箱・リモコン・マニュアルなどが揃っていて状態が良いもの。国内で保存状態がいいとさらに上がる可能性あり。
通常より改造済み(リージョンフリー化・電源改造等)または輸出仕様を意識した出品約 ¥90,000 ~ ¥160,000修正・改造品としてプレミアがつくことも。ただし改造に伴うリスクもあるため、値段に含まれてても動作確認が重要。
部品取り/ジャンク扱い(光学ドライブ不良など)約 ¥50,000 ~ ¥80,000動作しないもの、修理が必要なもの、付属品がほぼ無いもの。ジャンク品として。

総合評価・購入の際に見ておきたいこと

  • 付属品の有無が非常に価格を左右する:箱・リモコン・マニュアル・ケーブルなどが揃っていると、購入価格+見た目の満足度ともに上がる。
  • 動作状態:テレビ出力・DVD再生・トレイの開閉・ディスク読み取りなど、全機能が正常かどうか。
  • 輸送コスト/破損リスク:特にガラス/鏡面仕上げ部分やディスクトレイ周辺が壊れやすいので、梱包の丁寧さ・現地での送料を含めた総額で判断する必要あり。
  • 改造の有無:リージョンフリー化/電源改造がされている場合は、純正状態の価値よりやや下がることもある(ただし、改造の質が良ければ+評価されることも)。
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